ティツィアーノとヴェネツィア派展に行ってきました!

こいちです。

4/2まで、上野の東京都美術館でやっている「ティッツァーノとヴェネツィア派展」に行ってきました。
その感想を書きます。

ティツィアーノとは

私、割りと絵画好きなんですけど、今までこの方しりませんでした・・・。

時代はルネサンス。
ルネサンスといえば、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロが有名です。
彼らはフィレンツェで活躍した芸術家ですが、ティツィアーノは同時期にヴェネツィアで活躍した画家です。

その画力は「画家の王」とまで呼ばれ、なんと、ミケランジェロのライバル的存在だったようです!
そして、ベラスケスやレンブラントなど、後世の画家に影響を与えた人物とのことです。

ダヴィンチやミケランジェロ、ボッティチェリなどのフィレンツェの画家は有名かと思います。
フィレンツェはメディチ家の成功とその統治により、ルネサンスの文化的中心となりましたが、
当時、ヴェネツィアも一つの都市国家として繁栄しており、フィレンツェと並び多数の優秀な芸術家を輩出していたようです。

今回の展覧会は、ティツィアーノを目玉においた、ヴェネツィアの芸術家を取り上げた展覧会です。

フィレンツェ派とヴェネツィア派

中世ヨーロッパでは地方によって大きく異る都市国家が形成され、互いに競い合っていたため、
各地方により、違う文化が発展していったとのことです。

特にヴェネツィアはフィレンツェに対して対抗意識を燃やしていたようで、
ミケランジェロvsティツィアーノなんかがそのいい例だと思います。

フィレンツェ派は主に素描や描写などの、リアリズムを大切にするのに対し、
ヴェネツィア派は主に見た人の感情に訴えかけるような、印象を大事にする絵画が主流だったようです。

個人的にはフィレンツェとヴェネツィアと見てきた中では、今回のヴェネツィア派の画の方が好きなものが多かったと思います。

気になった作品

今回、見た中で個人的に気になった作品を挙げていきます。

ユディト パルマ・イル・ヴェッキオ作

個人的にユディトと言えばカラヴァッジョなのですが、
このユディトは女性と生首とにすごいギャップが感じられるなというので、印象に残りました。
また、解説であったのですが、当時の美人像としての女性が「ふくよかで白い肌を持ち金髪」ということで、
いわゆる普通の美人が生首を持っている、というのに面白さを感じました。

フローラ ティツィアーノ・ヴェチェッリオ作

ティツィアーノの代表作として知られる、花の女神・フローラを描いた作品。
カラヴァッジョの「バッカス」に印象が近い作品だなと思いました。
肌の透明感や服のシワ、手に持っている花や、それを持っている手の描写など、細部に渡ってこだわりが感じられる作品でした。
左胸の見えそうで見えない感がチラリズムを刺激してめちゃ官能的です。

ダナエ ティツィアーノ・ヴェチェッリオ作

ティツィアーノが描いたダナエはいくつかのパターンがあるようですが、
今回公開されたのは、この天使が描かれたパターンのもの。

ダナエは王の妃ですが、ダナエが身籠る息子が王を殺してしまう、という神託を恐れて、ダナエを牢獄に幽閉します。
しかし、ダナエは、ゼウスに見初められ、ゼウスが黄金の雨に変化し、ダナエを誘惑し、ダナエはそれを欲します。
そして、ダナエは男子を身籠ることになり、結局王はその子(ペルセウス)に殺されてしまう、というお話です。
世にいう「金に目がくらんで不倫をする」というお話ですね。

このダナエはミケランジェロを意識して作られた作品とのことで、ミケランジェロの表現を自分の作品にアレンジして加えたと、解説でありました。
この作品を見たミケランジェロは、「素描がなく、それが残念でならない」とのコメントを残したとのことです。
バチバチ感がありますね!

しかし、後世ではレンブラントやクリムトが、このダナエに影響を受け、同様の作品を描いています。

個人的な感想としては、ダナエの恍惚とした表情が印象的にもかかわらず、金貨の表現は控えめというところが、なんとなく面白いなと感じました。

裸婦 ベルナルディーノ・リチーニオ作

何とも言えないリアリティあふれる裸婦が横たわっている画で、
その肌の質感や、明暗の使い方などに引き込まれました。

個人的に、今回の展覧会のなかで、かなり気になる作品であり、
このベルナルディーノの作品は、とても気になるものが多かったです。

井戸の前のリベカ アンドレア・スキアヴォーネ作

本作品は絵画ではなく、版画なのですが、この作品が特にマンガ:ベルセルクの世界観のように感じたので、
とてもおもしろく見させてもらいました。
こういう中世の空想世界とか好きですね。
このあとにもミネルウァやマルスなど、神を描いた作品がありましたが、こちらもよかったですね。

ディアナとエンディミオン(もしくはウェヌスとアドニス) ヤコポ・ティントレット作

ティツィアーノが、技量を越えられると危険視し、工房から追い出したと言われる画力を持つ画家、ティントレットの作品。
この作品、単純に大作で、描き込みの量や情景描写、細かな背景の描き込みなど、単純にすごい!と思った作品です。

ベルシャツァル王の晩餐 パオロ・ヴェロネーゼ作

宴の様子が描かれた絵画で、とても楽しい様子が描かれています。
画の雰囲気も明るく、手前の宮殿内が暗く、外の空が青く描かれているのが強調されており、
いまもむかしも、青い空というのは印象的なイメージを与えられるのかなと思える作品でした。

また、人物にも明暗がはっきりと施されており、特徴的で面白い絵画だなと思いました。

聖家族と聖バルバラ、幼い洗礼者聖ヨハネ パオロ・ヴェロネーゼ作

これを最後にもってきたかー!というような、めちゃくちゃ印象的な画でした!

左側の女性:聖バルバラの着る金色の衣服の描写。
全体的に黄金色に光るこの絵画を特徴づけるような金色の衣服が印象的です。
とにかく、この画を見たときの印象は明るい!です。
色をあまり使わず、明暗のライティングを意識することで、かなり印象的な画になっているなぁと思いました。

まとめ

私が気になった作品と、その感想をまとめてみました。
もし、気になる作品がある方は、ぜひ本物の作品に触れてみてください。
画像ではわからない質感やリアリティが伝わってくるので、本物を見るのとそうでないのとは、全くと行っていいほど感じ方が違ってきます。
ぜひみなさん、美術館に足を運んでみてください(^^)

また、一緒に美術館をめぐる、美術サークルを月1回活動しています。
今回は初の開催で、3人の参加でしたが、とても有意義な時間になりました。
ぜひ一緒に美術館を周り、アフターで作品に関する意見を交換しましょう(^^)
気になる方は、お問い合わせより、気軽にご連絡ください(^o^)/